第一話 ぼくの前に、突然恐竜の子供がやってきた
30すぎてから急激に結婚する友人が増えた
プロの独身生活も慣れてきた頃、同僚の結婚式に出席した
羨ましい気持ちもあるが、僕は一人が嫌いじゃなかった
主役の二人は幸せそうで、眩しく見えた
幸せのお裾分けをもらい、自分の結婚を想像しつつ、帰路につく
「ただいまー。」
返答がないと分かってるけど、毎回言ってしまう
あれ、見慣れた自宅の玄関をすすむといつもと何かが違う感覚に気づく
「だれか、、いる?」
僕はもらった引き出物を両手で大きく抱えて先に進む
消していたはずの電気がついている
誰だ、、、?
「きーーーー。」
ドアが開いた
「ぎゃーーーーー」
思わず抱えていた引き出物を投げた
?!????!
なんだ??なんだこの生き物は????
あれから1ヶ月
どうして僕の家にきたのか
何が目的なのか
何をしゃべっているのか
全くわからない
だけど、僕についてくるのだ
この恐竜の子供ちゃんは
兎に角しばらくこの子と共同生活をする事を決めた
ぼく
おいでーご飯食べよう
恐竜ちゃん
へへへへっ
嬉しい時、「へへへへ」ということだけはわかった
つづく
次の話を読む